ブラジルの旅2013報告(3) リオデジャネイロ滞在12時間
サンパウロやリオデジャネイロに多いサンバライブハウス。多くの店では、夜12時ごろからライブが始まり、午前3時か4時ごろまで続きます。
今回の旅はサンパウロが拠点で、サンバ的スケジュールがみっちり。でもせっかくなので本場リオのライブにも行きたい。そこで組んだ攻撃的スケジュールが「リオ滞在12時間」。
サンパウロで金曜夜、未明までサンバライブ。あまり寝ないまま土曜午前、市内でショーロライブ。そのまま午後1時、バスでサンパウロを出発しました。
片道6時間かけ、午後7時にリオ到着。もう日は沈んでいます。
目指したのはカリオカ水道橋近くのLAPA(ラパ)地区。まちを上げて往年の繁華街の再興に取り組んで10年余り。ライトアップされた水道橋周辺に並ぶライブハウスやバー、通りにあふれかえる客。あちこちからサンバなどの生演奏が聞こえてくる。
いまやリオのにぎわいを代表する地区のひとつになりました。
まずParada da Lapa(パラーダ・ダ・ラパ) という店へ。演奏者がテーブルを囲んで演奏し、その周りで客が盛り上がる伝統的な「Roda de samba」(ホーダ・ジ・サンバ=サンバの輪)スタイルのライブです。とにかく人が多い。
そして2軒目。ここが今回の目的地です。ラパを代表するサンバライブハウス、Carioca
da Gema(カリオカ・ダ・ジェーマ)。ライブは、前座のNelson Felix(ネウソン・フェリックス)が夜9時半から11時。いきなり質の高い演奏に圧倒されました
この日のメインはラパのサンバ界の代表格ともいえる実力派女性ボーカル、Ana
Costa(アナ・コスタ)。11時半スタートです。
ステージは3回、午前4時まで。一番客が多かったのは午前2時ごろ。しっとりした曲からカーニバル調の曲、インストまで堪能しました。
驚いたのはバックの演奏者のクオリティーの高さです。歌の直前のきっかけや合間に挟むソロ演奏が心地よい。後から分かったのですが、カバキーニョのAlceu Maia(アウセウ・マイア)、フルート・サックスのDirceu Leite(ジルセウ・レイチ)らはサンバ・ショーロ界の重鎮です。チャージ26レアル(1100円くらい)の場で、これほどの人たちの演奏が聞けるとは。
この店は音響もよかった。フロアを埋め尽くした客がリズムに合わせてうねり、演奏者と一体に。かけがえのない場を体験できました。
終了後、アナ・コスタやアウセウ・マイアと遊んでしまったのは「報告(1)」の通りです。ブラジルはミュージシャンとの距離の近さも魅力。すぐ交流が広がります。アウセウ・マイアはエリゼッチ・カルドーゾなど往年のサンビスタのバックバンドで3回来日したそう。アナ・コスタは日本に行くのが夢と話してくれました。
その後、別のバーに移って朝ごはん。夜が明ける朝6時ごろまで過ごしました。酔っぱらった若者の集団が水道橋周辺をうろうろ。店からまだ大音量の音楽が漏れ聞こえてくる。
ラパは本当に魅力的な街でした。行けてよかった。
ただ、訪れた2店とも座る場所が少なく、グラスを手にした人たちがフロアに密集している状態が長時間。慣れない人にはしんどそうですね。ブラジル中級者以上向けか。
午前7時半、バスでサンパウロに出発。滞在わずか12時間余り。世界的な観光都市の有名スポットをほとんど見ないままリオを後にしました。
| 固定リンク
コメント